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◼️ 大友城のご説明 千葉県香取郡東庄町
大友城は椿の海の最北端に位置する半島状に突き出た標高約 50mの舌状台地に 築かれました。 城域は東西約100m、南北約300mに及ぶとされ、「政所台」「遠所台」 という字名が残っています。 政所台は二の丸、 遠所台は主郭にあたるとされていて、 地 形を活かした連郭式の構造になっています。
大友城は、古くは長元元年(1028年)に朝廷に対する反乱 (平忠常の乱) を起こした平忠常の館跡とも伝わっていますが、今に残る遺構は戦国時代のものと思われます。 このように築城についての詳細は不明ですが、立地的に考えると、東氏や海上氏など千葉一族に関連する城館だと推察されます。 城域の大部分は畑になっているものの、わずかながらも土塁、 空堀、 腰曲輪などが 残っています。 字名として「鍛冶屋敷」 「旗口」 「兵岬」 など、 城と関連が想像される地名 も残っています。
◼️ 御城印デザインのご説明
『香取郡誌』によると、 大友城は平良文の居城と伝わっています。平良文は桓武平 氏良文流の祖とされ、 千葉一族、 三浦一族など坂東を代表する氏族を輩出しました。 また、『今昔物語集』 には平忠常の乱の平定のため、 源頼信が忠常の居館に向か う際の記述があります。それによると、頼信が鹿島神宮から南下して利根川の北岸に 至ったところで、 「忠常の居館は内海に入った場所にある」と記されています。 この記 述により、 平忠常の居館は大友城と考えられています。
大友城が平忠常の居館という伝承に基づき、 大友城の御城印には平家の家紋を入れました。あわせて、忠常の乱を平定した源頼信に因み、 源氏の家紋をデザインしました。 そして、江戸時代に描かれた平忠常の乱を題材にした 「源頼信 平忠常 大椎城水 攻之図 (歌川貞秀)」をモチーフにしました。 忠常の生きた平安時代とは、時代の合 わない天守閣などが描かれているものの、城の周りは海になっています。 椿の海に面 して築かれ、 水上交通の押さえの役目を担っていたと推察される大友城の特性を描い ていて、大変貴重な絵だと思われます。 なお、絵の表題は「大椎城」になっていますが、 近年では平忠常の本拠は大友城の可能性が高くなっているため、この絵をモチーフに しました。
あわせて、大友城は戦国時代には千葉一族に関する城として使 われていたと考えられることから、 千葉一族の家紋「月星」 と 「九曜」 を配置しました。
なお、東庄町のすべての御城印は、日本のみならず海外でご活 躍の英国王立美術協会の名誉会員でもある岩井颯雪様にご揮毫 いただきました。
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