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里見氏研究「第2号」

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◼️いわゆる第二次国府台合戦を再検討する

はじめに
永禄七年(一五六四)に起こったいわゆる第二次国 府台合戦は、一般に知名度も高いところから、房総戦 (-) 国史や関東戦国史が記されるなかでは必ず触れられる 出来事であるただそれらのほとんどは、基本的に後 述小笠原氏の論考をもとに概説風に述べられているだ けで、合戦そのものに焦点をあてた研究となると、残 された史料の少なさとも相まって、ほとんど存在しな いのが実情である。

(c) 筆者は近時里見義堯の伝記(以下本稿では『義』 とする)をまとめるにあたり、義堯期に起こった多く の出来事についても一つ一つ確認作業をすすめたが、当然この第二次国府台合戦についても改めて検討して みた。その過程で、現在通説化しているいくつかのこ とがらについては再検討の余地が十分にあり、また新 たに付け加えるべき知見や課題があることも確認するに至った。そのようなことについては、なるべく本文 中に生かすように努めたが、当該書が一般書である以 上、考証過程の詳細や新たな知見のすべてを述べるこ とはできなかった。したがってここでは、まずこの合 戦に関する研究史を確認したうえで、詳述できなかっ た部分を開示し、従来説の問題点や未解明の部分、さ らには課題を浮き彫りにしつつ、改めてその実像に少しでも迫ってみようとするものである。

滝川恒昭

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