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88 堀川館

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⬛︎ 堀川館のご説明 千葉県匝瑳市

堀川館は標高5mほどの砂州上の徽高地を利用して築かれた居館です。 堀川 集落に残る館跡のため、「堀川館」とよばれていて、現在は星宮神社が鎮座して います。 以前は、 星宮神社の境内を囲むように堀と土塁が巡らされていたといい ます。 近年の道路工事でほとんどの遺構が消滅しましたが、現地に残るわずかな 土塁と堀の痕跡からかつての方形区画の館跡を想像することができます。

築城等に関する詳細は不明ですが、 千葉一族の庶流である堀川氏の居館と 伝わっています。 堀川氏についての詳細も不明ですが、 「神代本千葉系図」には、 椎名胤光の子に胤次、清胤の名前が載っており、それぞれ堀河四郎、 同又四郎 と脇書されています。このことから、 堀川氏は千葉一族椎名氏の分家であること が推察されていて、鎌倉時代に堀川の地頭職を得て、 代々この地を治めていたと されています。

戦国時代には、 野手周辺を領していた同じく千葉一族椎名氏の庶流である野 手氏によって堀川館は攻められ、 堀川氏は家臣ともども討ち死にしたと地元に伝 わっています。

また、 「天正十八年千葉家落城両総城々」には、天正18年(1590年) に椎名山 城守が堀川館の城主だったと記されています。 発掘調査では、奈良時代から江戸時代にかけての遺物が出土していることから継続的にこの地に地域の中心的な施設があったと考えられます。 また、明治初年には堀川館の跡地に三河西端藩の陣屋が設けられました。

⬛︎御城印デザインのご説明
千葉一族堀川氏の居館と伝わる堀川館の御城印には、 千葉一族の家紋 「九 曜」をデザインしました。 現在鎮座する星宮神社の旧号は「妙見大菩薩」だった といい、妙見信仰を重んじていた千葉一族との繋がりが推察できます。 この神 社は堀川氏が勧請したとも、堀川氏の後に入った野手氏が勧請したとも伝わっ ています。

堀川館の発掘調査では、台と歯を一木から作る鎌倉時代の連番下駄が出土し ています。 実際は下駄の台のみの出土ですが、 御城印にはイメージとして下駄完 品の絵を描きました。

他にも堀川館からは15世紀以降の土鍋、内耳土鍋、 多数のかわらけ、17世紀 以降の陶磁器など生活用品が発掘調査から見つかっています。

さらに調査では、フイゴの羽口や鉄滓が見つかっていて、 周辺には鍛冶屋という字名も残ることから、この地域で、中世 から近世にかけて鍛冶が行われていたことが推察されます。

御城印には、これらのうち、代表的な遺物である、 かわらけを 描くとともに、堀川館が微高地を巧みに利用して築かれた居館 であることから、地形がわかる地図も配置しました。

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